土壌環境基準項目追加 環境基準とは何かがわかるよ!
おはようございます、市川です。
寒いです!!
今までが暖かかったのはわかるのですが、こうも急に寒くなると・・・
対応できなくて辛いです
みなさんお体は大丈夫ですか??
さて、「1,4-ジオキサン」「塩化ビニルモノマー」が土壌環境基準項目(溶出基準)に追加されることとなりました。
基準値は、1,4-ジオキサンについては「検液1リットルにつき0.05mg以下」、塩化ビニルモノマーについては「検液1リットルにつき0.002mg以下」が適当としています。
土壌環境基準が変わると土壌汚染対策法に基づく特定有害物質も通常改定されますが、今回は「1,4-ジオキサンは特定有害物質には指定しない」「塩化ビニルモノマーは第一種特定有害物質に追加することが適当」と示されています。
塩化ビニルモノマーの物性から第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)に区分することが適当であり、土壌含有量基準は定めないとのことです。
土壌溶出量基準と地下水基準は、土壌環境基準と同じ値である「0.002mg/L以下であること」と設定すること等、関連基準が明記されました。
ここでおさらいです。
土壌環境基準と土壌汚染対策法の特定有害物質とは別物であるとご存じですか?
環境基準は人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準として、終局的に、大気、水、土壌、騒音をどの程度に保つことを目標に施策を実施していくのかという目標を定めたものが環境基準です。環境基準は、「維持されることが望ましい基準」であり、行政上の政策目標としての位置づけです。これは、人の健康等を維持するための最低限度としてではなく、より積極的に維持されることが望ましい目標として、その確保を図っていこうとするものです。
政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めています。
そしてその環境基準とは別に、各法があります。
○大気汚染防止法
○水質汚濁防止法
○土壌汚染対策法
○騒音規制法
○ダイオキシン類対策特別措置法
つまり、土壌環境基準は維持されることが望ましい基準を政府が定めたもの、土壌汚染対策法は法律により土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを定めたものであり、基準が定められた項目も異なります。
土壌環境基準と土壌汚染対策法は別物であるため、環境基準に追加されても土壌汚染対策法特定有害物質には指定されないということが起こるのです。
株式会社大倉では建設発生土処分を承っていますが、千葉県の残土条例は環境基準に準じていますので、土壌汚染対策法では指定外となる1,4-ジオキサンが今後追加となる可能性も考えられますね。
ちなみに1,4-ジオキサンは広く溶剤として使われていて、有機化合物を製造する際の反応溶剤として使われるほか、トランジスター、合成皮革や塗料などの溶剤として、また洗浄剤の調整用溶剤、繊維処理、染色、印刷時の分散剤や潤滑剤などにも使われています。
塩化ビニルモノマー(クロロエチレン)はほぼ全量がポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)や塩化ビニル系共重合樹脂の原料として使われています。
以上、たまにはためになる土壌汚染のお話でした